ROIとROASとは?
宿泊業界において、経営効率を高めるためには、ROI(投資対効果)とROAS(広告費用対効果)の"理解と最適化が不可欠"です。
これらの指標は、経営者が投資や広告活動の成果を評価し、戦略的な意思決定を行うための重要なツールです。
・ROI(投資対効果)
ROIは、投資に対する利益の割合を示す指標です。
計算式は、ROI=利益(売上高-売上原価-投資額)÷投資額×100
例えば、新しい設備導入やマーケティングキャンペーンに対する投資の効果を測定する際に使用されます。
例として施設様がよく経験することで考えてみましょう。
素泊まりプラン:販売価格1名あたり10,000円
1予約あたりの原価:30%
クーポン使用し生じた売上:180,000円
クーポン発行手数料:売上の2%
上記を計算式に当てはめて考えてみると
ROI=利益(180,000円ー原価30%ー投資額20,000+手数料2%)÷投資額(20,000+手数料2%)×100
原価=54,000円 投資額=23,600円なので
ROI=利益102,400円÷投資額23,600円×100=434%
となります。
高いROIは、投資が効果的であったことを示し、低いROIは改善の余地があることを示します。
ROIの良し悪しの判断基準として、明確な基準や平均値はありませんが、100%が1つの目安となっています。
ROIが100%以上なら、投資額に対して100%の利益が得られたことになりますが、100%未満であれば、投資額に対して損失が出たと判断することができます。
・ROAS(広告費用対効果)
ROASは、広告費用に対する利益の割合を示す指標です。
計算式は、ROAS=広告による売上÷広告費用×100
特にデジタルマーケティングにおいて、Google広告やSNS広告などの効果を測定する際に用いられます。
高いROASは、広告活動が収益に直結していることを示し、低いROASは広告戦略の見直しが必要であることを示します。
例として、広告を代理店にお願いした場合で考えてみましょう。
広告費:30,000円+代行費30,000円
広告経由で生じた売上:500,000円
※代行費は例として仮の金額です。
上記を計算式に当てはめて考えてみると
ROAS=広告による売上500,000円÷広告費用(30,000円+代行費30,000円)×100=833%
となります。つまり、投資した広告費に対して8.3倍の売上があったことになります。言い換えると、この広告は8.3倍の売上になったので費用対効果があったと判断できます。
ROIとROASの活用
〇投資対効果の最大化
宿泊施設の経営者は、設備投資や人材育成、マーケティング施策など、さまざまな投資に対するROIを評価する必要があります。
例えば、新しい客室設備の導入や、従業員のトレーニングプログラムに対する投資、紙媒体やWebの広告などがどれだけの利益を生むかをROIで測定することで、良し悪しを判断し、効果的な予算配分をすることが可能になります。
〇広告費用対効果の最適化
デジタルマーケティングが主流となる現代において、ROASの最適化は集客コストの削減に直結します。
例えば、Google広告やYahoo!広告、Meta広告などROASを定期的に分析し、効果の高い広告にリソースを集中させることで、広告費用を"最小限に抑えつつ、最大の収益を得る"ことができます。
〇KPIの設定と分析
宿泊施設の経営効率を高めるためには、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に分析することが重要です。
ROIやROASといった指標をKPIに含めることで、経営状況を客観的に評価し、改善点を明確化することができます。
まとめ
ROIとROASは、宿泊施設の経営効率を高めるための重要な指標です。
これらの指標を適切に活用することで、投資や広告活動の効果を正確に評価し、戦略的な意思決定を行うことが可能になります。
経営者の皆様には、"ROIとROASを定期的に分析し"、"経営戦略の最適化"に役立てることを強くお勧めいたします。