こんにちは!
ホテル業界の関心がある皆さん、そして実際にホテル経営に携わっている皆さんにとって、OCC(稼働率)、ADR(平均客室単価)、RevPAR(利用可能客室1室あたりの売上)という言葉は聞き馴染みがあるかもしれませんね。
とはいえ、「実際、これらの指標ってどう使うの?」と、具体的な活用方法が分かりにくいことも多いですよね。
そこで今回は、この3つの指標が何を意味しているのか、そしてどう活用することでホテル経営に役立つのか、できるだけわかりやすく解説します!
初心者の方でも、この記事を読み終えるころには、しっかり理解できるはずです。

OCC(稼働率)とは?【客室の利用状況を把握】

まずはOCC(Occupancy Rate:稼働率)です。
これは、ホテルなどの宿泊施設における販売可能な客室のうち、実際にお客さまに利用されている客室の割合を表す数値です。
「今日はどのくらいお部屋が埋まっているかな?」といった、ホテルの経営状況を一目で把握できる便利な数学です。
例えば、100部屋あるホテルで80部屋が予約されていたら、OCCは80%というわけです。
この数字が高いほどホテルが賑わっていて、逆に低ければ「もっとお客様を呼び込む対策が必要かな?」と考えるきっかけになります。

計算式:OCC=(販売された客室数÷利用可能な客室数)×100

例:100部屋あるホテルで80部屋が売れた場合
OCC=(80部屋÷100部屋)×100=80%

●どう活用する?
OCCは、単純に「どのくらいお部屋が埋まっているか」を示すだけでなく、繁忙期と閑散期の差や、イベント時の動向など、季節時期ごとに理想的な客室稼働率を見極め、その数値に近づけるための対策を打っていくことが大切です。
例えば、閑散期にお部屋が埋まらない場合は、特別割引を提供したり、宿泊プランを見直してプロモーションを行うなどの対策を取る必要があります。
また、OCCだけに頼らず、次に紹介するADR(平均客室単価)も合わせて見ていくことで、さらに細かい改善策が見えてきますよ。

ADR(平均客室単価)とは?【1室あたりの売上を見てみよう】

次に、ADR(Average Daily Rate:平均客室単価)です。
これは、1部屋あたりの平均売上を表しており、基本的には1日ごとに算出されます。
OCCと合わせてホテル経営の「収益力」を見極めるための重要な指標です。

計算式:ADR=総客室売上÷販売された客室数

例:100部屋のうち80部屋が売れて、総売上が800,000円だった場合
ADR=800,000円÷80部屋=10,000円

●ADRをどう役立てるか?
ADRは、単純に「お部屋が埋まればOK!」ではなく、1部屋あたりの収益性を見直すための指標です。
例えば、稼働率が高くても客室単価が低い場合は、価格戦略に問題がある可能性があり、総売上は期待したほど上がらないかもしれません。
逆に、適切な価格設定やサービスを改善することによって、単価が上がれば売上全体も上昇します。

●ADRを上げるには?
ADR向上は長期的な戦略であり、短期的に何%上げる、といった戦術ではありません。
単に料金を上げるだけでなく、宿泊体験そのものの質を向上させることが必要です。
例えば、お部屋に特別なアメニティを追加したり、季節ごとに異なるテーマのイベントを開催するなど、お客様に「この価格でも泊まりたい!」と思ってもらえる付加価値を提供することがポイントです。

RevPAR(利用可能客室1室あたりの売上)とは?【総合的な収益を把握しよう】

そして最後に紹介するのがRevPAR(Revenue Per Available Room:利用可能客室1室あたりの売上)です。
この指標は、ホテル全体の収益力を測るための指標で、OCCとADRを掛け合わせることで計算できます。

計算式:RevPAR=ADR×OCC(稼働率)
または RevPAR=総客室売上÷利用可能な客室数

例:100部屋のホテルで、ADRが10,000円、OCCが80%の場合
RevPAR=10,000×80%=8,000円

●RevPARの役割とは?
RevPARを算出することで、ホテルの収益パフォーマンスを把握でき、収益が最大となる価格設定をすることができます。
つまり、単に部屋が埋まっているだけではなく、客室の単価と稼働率のバランスが重要になります。
例えば、OCCが高くてもADRが低ければ総売上は伸び悩みますし、逆にADRが高くてもOCCが低いと収益は上がりにくいです。
そのため、どちらか一方を高めるだけではなくRevPARを向上させるためには、価格設定と稼働率の両方を見直す必要があります。
特に閑散期には、稼働率を上げるための特別プランやキャンペーンを実施し、繁忙期には適切な価格設定にすることによって、収益の最大化に繋がります。

まとめ:OCC、ADR、RevPARをうまく活用しよう!

さて、ここまでOCC(稼働率)、ADR(平均客室単価)、RevPAR(利用可能客室1室あたりの売上)について解説してきましたが、これらはすべてホテル経営を成功させるために欠かせない指標です。

OCCで、お部屋がどれだけ埋まっているかをチェックし、対策を講じましょう。

ADRで、1部屋あたりの売上を確認し、価格設定やサービス内容を見直しましょう。

RevPARで、ホテル全体の収益性を把握し、柔軟にバランスよく経営を改善しましょう。

これらの指標を定期的に確認することで、ホテルの現状を正確に把握し、効率的に経営を改善していけます。
データ分析を活用し、どの部分で手を加えるべきかを判断しながら、経営の安定と成長を目指しましょう!
この記事が少しでも、皆さんのホテル経営のお役に立てれば幸いです!