近年、訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加により、国内宿泊施設や観光事業者にとって国外オンライン旅行代理店(OTA)の活用が欠かせない存在となっています。
国外OTAを効果的に活用することで、国内旅行者だけでなく、海外からの旅行者の集客にもつながる重要な施策の一つです。
今回は、代表的な国外OTAであるBooking.com、Expedia、Trip.comについて、それぞれの特徴や活用方法を詳しくご紹介します。
OTAとは?
OTA(Online Travel Agency)は、オンライン上で旅行に関する宿泊施設や交通手段、ツアーなどを予約できるサービスです。
特に国外OTAは、世界中の旅行者に向けて情報を発信できるため、訪日外国人旅行者をターゲットとする事業者には非常に有効です。
・国外OTAの主なメリット
●世界中の旅行者にリーチ可能
●多言語対応でのプロモーションが可能
●口コミやレビューで信頼性を向上
●SEOや広告費のコスト削減
代表的な国外OTA
1.Booking.com
Booking.comは世界最大級の宿泊予約サイトで、200を超える国と地域で利用される人気のOTAです。
訪日外国人観光客の予約にもよく利用されており、幅広い層の旅行者にリーチできます。
・特徴
●使いやすいユーザーインターフェース
●43言語の対応可能
●豊富な宿泊施設タイプ(アパートメント、ホテル、ゲストハウス、バケーションレンタルetc…)
●リスティング商品は2800万件を誇る
・メリット
〇海外では知名度は高く、世界各国の旅行者に広がるネットワーク
〇無料登録が可能で、成果報酬(予約成立時に手数料が発生)
〇強力なモバイルアプリによる利便性
〇日本人利用者も多い
2.Expedia
Expediaは、宿泊施設に加え、航空券やレンタカー、アクティビティ、パッケージツアーも取り扱う総合旅行サイトで一元管理が可能です。
特に北米市場での認知度が高いのが特徴です。
・特徴
●エアー商品と組み合わせたダイナミックパッケージに特化
●提携ホテルに対して豊富なプロモーション機能を提供
●トラベルエージェント機能も活用可能
●JALやANA提携しているため、マイルを貯めている旅行者から支持が厚い
・メリット
〇ビジネス目的の旅行者から、ファミリー層まで幅広い層にリーチ
〇レンタカーサービスや航空券との組合が豊富
〇特定地域(特にアメリカ)への訴求が強い
〇独自のポイント制度
3.Trip.com
中国最大級の旅行予約プラットフォーム「Ctrip」の国際版であるTrip.comは、アジアを中心に成長を続けているOTAです。
訪日中国旅行者の5割強がTrip.comを利用しているほど、中国市場にアプローチするのに最適です。
・特徴
●中国市場を中心にアジア圏での高いシェア
●幅広い旅行商品のラインアップ
●AIを活用したレコメンド機能
●多言語対応しているだけでなく、日本語に対応できるスタッフがいる
・メリット
〇アジアでのWEB露出や旅行者に特化したプロモーション
〇多様な決済方法に対応
〇強力な現地サポート体制で安心
OTA活用ポイント
国外OTAを効果的に活用するには、以下のポイントを押さえることが重要です。
1.魅力的な宿泊施設ページの作成
施設の充実した写真の数、詳細情報、設備などを正確に記載することで、旅行者に信頼感を与えることができるでしょう。
また、旅行者のニーズを把握した上で、ホテルの魅力や日本らしさをしっかりと伝えましょう。
2.競争力のある料金設定
他の宿泊施設と比較し、会員特別プランや、会員向けのプロモーションを利用するなど、魅力的な価格を設定することが重要です。
特にキャンペーンや割引プランを活用すると、集客アップにもつながり効果的です。
3.口コミやレビューの充実
良いレビューは、予約率を大きく向上させます。
宿泊後にお客様にレビューを信頼する仕組みを取り入れましょう。返信も必ず行いましょう。
4.多言語対応
海外のお客様にとって分かりやすい内容を提供するため、多言語での情報発信が必要です。
海外からのインバウンドまで広くカバーすることができます。ホームページやSNSを活用し不安なく訪日できるように情報を届けましょう。
5.定期的なデータ分析
OTAが提供する管理画面で予約状況やクリック数を確認し、プロモーション戦略を調整します。
市場のニーズを把握することが大切です。
OTA活用の成功事例
事例1:地方の旅館がBooking.comで予約数を3倍に
ある地方旅館では、Booking.comでのページ作成時にプロの写真家を起用して、魅力的な写真を掲載しました。
また、季節ごとのプランを定期的に更新することで、予約数が3倍に増加しました。
事例2:小規模ホテルがExpediaを通じて北米市場を開拓
都内の小規模ホテルは、Expediaで航空券付きパッケージプランを提供し、北米からの観光客を効率的に集客。
それにより、客単価が20%上昇しました。
事例3:Trip.comで中国市場に特化したプロモーション
地方の観光施設がTrip.comを活用し、中国語でのプロモーションを実施。
結果として、中国からの観光客の比率が大幅に上昇しました。
まとめ
国外OTAは、世界中にさまざまな特徴、強みをもつものがあり、訪日外国人旅行者を効果的に集客するための強力なツールです。
インバウンドのお客様の受け入れ体制と情報収集とシミュレーションを行ったうえで、それぞれのOTAの特徴を理解し、自社の宿泊施設やサービスに合ったプラットフォームを選ぶことが成功の鍵です。
インバウンドのお客様を受け入れ売上をさらに伸ばす方針であればインバウンド需要をしっかりと掴み、成功するために、今すぐ国外OTAの活用を始めてみましょう。